第2話 秘密の共有

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「フィル……王子ですよね?」 「ああ」 「助けていただき、ありがとうございました」 「別に構わない」  何の興味もないというように椅子にかけるフィルに、リオは近づいていく。  性別のことを聞こうか聞くまいかともぞもぞしていると、言いたいことが分かったのかフィルはリオより先に言葉を発した。 「見たことは誰にも言わない、もちろん父上にもだ」 「──っ!?」  その言葉を言うと、「もういけ」と言って退室を促す。  リオは精いっぱいのお辞儀での礼をしたあと、部屋をあとにした。  リオが先程メイドと分かれた廊下の場所にいくと、ちょうど必死にリオを探しているメイドの姿が映った。 「大変申し訳ない!」 「リオ王子!! よかった!!」 「すみません、お手洗いを探していたら迷子になってしまいまして」 「そうでしたか、何事もなくよかったです。それでは食事の間へ向かいましょうか」 「はいっ!」  こうして何事もなかったかのように食事の間へ移動して、リオは手厚いもてなしを受けて宮殿へと帰った。
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