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宮殿に戻ると、サンクチュアリの広間にノエル王がいた。
「おかえりなさい! ずいぶん遅かったのね!」
「申し訳ございません、王から手厚い食事のもてなしをしていただきまして」
「まあ! 毒とか盛られなかった?!!!」
「さすがに大丈夫です」
「はあ……キャロルちゃんに何かあったらあのクソ変態王をぶん殴ってやる!」
「よしてください、母上」
ありもしない毒盛り未遂事件で騒ぎ立てる母をなぐさめ、ようやくベッドに入ったリオ。
頭の中では今日のフィルにかばってもらったあの瞬間が思い出される。
(背が高く、綺麗な銀髪の青年。確か年は20歳と聞いていたけど、かなり大人びた感じだった)
リオはごろんと横向きになり、シーツを引っ張って顔をうずめる。
(本当にばらしてないのかしら?)
そう不安に駆られながら、うとうととリオは眠りについた──
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