第十章 離婚してから気づく溢れる想い

7/12
前へ
/110ページ
次へ
夕食どうしよう、作る気持ちにもなれず、買いに行くのも面倒だ。 そんな時、スマホが鳴った。 海堂さんからだった。 「はい、ちづるです」 「ちづる?もう飯食ったか?」 「まだです」 「俺もこれからなんだが、一緒に食うか?」 「一緒に?」 「彼女は用事があって帰ったから俺一人なんだ」 やっぱり彼女なんだ。 「ちづる?もしかして誰かと約束しているのか、充か?」 「約束なんかしていません」 「じゃあ、俺の部屋に来い」 心臓がドキドキいってる、私は早速着替えて海堂さんの部屋のインターホンを鳴らした。 「どうぞ」 「お邪魔します」 ついこの間まで一緒に生活していた空間に足を踏み入れると、なんか懐かしさを覚えた。 「座って待ってて」 キッチンで食事の用意をしてくれている、海堂さんの後ろ姿に思わず近づいた。 そして、私はこの時、自分の素直な気持ちのまま、海堂さんの背中に抱きついた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加