第十章 離婚してから気づく溢れる想い

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エレベーターのドアが閉まりかけた時、女性は海堂さんの腕に自分の腕を絡ませて、口角を上げてニヤリと不吉な笑みを浮かべた。 まるで海堂さんは私のものよと言っているように感じた。 この時、はっきりわかった、海堂さんと離婚した事を後悔している自分がいる事に…… 「あのう、今海堂さんと一緒だった女性はどなたですか」 私は海堂さんと一緒だった女性が気になっていた。 彼女なの? それとも仕事関係なの? 「海堂様とご一緒だった女性は、取引先のお嬢様です、お父様同士が古くからのご友人だとお聞きしています」 「そうですか、結婚するんですかね」 「どうでしょうか、でも最近頻繁に海堂様のお部屋にお見えになっています」 何でそんな女性がいるなら、私は海堂さんの側にいるように言われたの? ひどいよ、新しい彼女と仲良くしているところを見せつけるなんて。 やだ、私、嫉妬してるの? もう、関係ないのに…… しばらくして、私は部屋に向かった。
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