第十章 離婚してから気づく溢れる想い

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「ちづる?」 「海堂さん」 海堂さんは私の肩を掴み、私の身体を離した。 「俺達はもう、夫婦じゃない、そんなつもりで誘ったんじゃない」 「じゃあ、なんで私を側に置いておくんですか」 つい、海堂さんに食ってかかってしまった。 「心配だからだ」 「心配?」 「それならなんで離婚したんですか」 「離婚を申し出たのはちづるの方だろ?」 「それはそうですけど……」 沈黙が流れた。 確かに離婚は私が言い出した事だ。 それなのに食ってかかって、私が悪い。 「さっきの人と結婚するんですか」 「どうかな、まだわからない、どうしてそんな事聞くんだ」 「どうしてって、仲良さそうだったからです」 「ちづるはどうなんだ」 「何がですか」 「充と結婚するのか?」 急に充の名前が出てきてびっくりしてしまった。 「充とは結婚しません」 「そうか」 私は思い切って自分の気持ちをぶつけた。
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