起爆剤

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 二人で見晴らしのいい所に腰をおろした。 「上客を怒らせてしまって。会社に大きな損害を与えて、危うく倒産させるところだったんだ…… そのせいで自信も仕事も無くしちゃって…… もう、僕にはこれから先、生きて行ける未来なんてないんだ」  すると宇宙人は、アメリカの人みたいに肩をすくめて(肩なんてほとんどないくせに)、首を振り、何だそんなことか、とつぶやいた。 「人間の悩みはちっぽけだなあ」 「は? なんだって?」 「考えてもみなよお。そーんな会社、やめて正解じゃないかあ。若いもんに責任押しつけてさあ。どんどん挑戦させてさあ。育てて失敗したら守るべきじゃないのかあ。そもそもさあ、新人に重責負わせて会社が傾くって。よっぽど体制が脆弱で、見通しが甘すぎだよねえ。どうせそんな会社、長くは存続できないよお。そんなくだらない会社のためにい、未来あるキミが死ぬなんてさあ、バカらしいじゃんん」  じゃんんって。しゃべり方はともかく。なんだか確かにバカらしくなってきた。  でもさ。 「そのために彼女も失ったんだ」
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