起爆剤

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「星の滅亡の危機は偶然回避されたものの、落下は免れなくて、落下地点周辺は壊滅的な被害を受けたんだあ」  さすがに、国や組織や上司が悪いよ、なんて気休め、軽々しく言えない。 「ああ、それで星を追われたのか」  そう言うのが精一杯だった。宇宙人は、どんな思いで打ち明けたのだろうか。本当に僕を親友と感じてくれている、ということか。 「ぃゃぃゃぃゃぁ…… そんなんじゃないよお」  おそらく、悲しげな瞳をしているのだろう。多分。  どれだけ多くの犠牲を生んだか、どれだけ多くのものを恐ろしい目に、不幸な目に合わせてしまったものか…… 想像を絶する。  宇宙人はただ眼前に広がる景色をじっと見つめ続けていた。相変わらず表情は読み取れないけど、僕も黙って隣に座り続けた…… 親友だからな。 「星を追われて住む為に地球に来たのか?島流しならぬ流れ星ならぬ星流し? だったら僕の家に来ないか?電気もガスも止まってるけど」  宇宙人は首を振る。 「本来、ボクは死刑だったんだろうけどお、ボクには宇宙飛行士のスキルがあったからあ、命の危険があったり、ヨゴレの任務をさせられているのさあ。それがあ、刑の執行のようなものさあ。星には帰れないけどお、ここにも留まれないのさあ」  宇宙人はそろりと立ち上がった。 「さてさてさて、お別れの時が来たようだ」
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