起爆剤

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 突然、宇宙人と親友になった。  それは僕が人生に絶望し、死に場所を求め、深い山を彷徨っていた時のことだった。眠ることもできず、長時間歩いて朦朧としていたところに、おかしな体躯のシルエットと、ばったり出くわしたのだ。  誰もが知ってる、例のあのタイプ。あっ、足がいっぱいあるやつじゃなくて、グレイって言われる方ね。  彼(?)は、僕を見るやいなや動揺して、明らかに挙動が不審だった。おまけに支離滅裂なことを話し出し、意志疎通が人間の僕と出来ていることの言い訳を始めた。 「ボクはキミと親友になるために地球に来たのさあ。きっと」  結論がそれ。そんなこと突然言われたって、何も納得できない。 「けれどさあ、なんでキミは死のうとしてるのさあ」  おっと。ちょっと待て。今度は僕が動揺する番だ。 「なんでそれが?!」 「ほらさあ、宇宙人あるあるだよお。意志疎通を円滑に運ぶために心を読んじゃったりなんかしちゃったりするじゃない? あれだよ、あれ」 「あっ、テレパシー?」 「そうそうそう。それそれそれ」  なんか怪しいんだけど、着ぐるみじゃ無理なサイズ感だし、ロボットでもなさそうだから、今まで見たことないけど本物の宇宙人らしい。  どうせ死のうと思ってたし。胡散臭くても話聞いてくれるみたいだし。誰かにチクったりしないだろうから。僕は自然と話し始めた。 「実はさ……」
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