真紅の特注企画

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そしてその夜。 「うーん……マジかぁ……じゃ、最後までは我慢するから…」 そう言ってキスをする津波。舌を絡めながら伊織の体に触れ、息を荒くして肌に唇を這わす。 夕方頃からズンと下腹部が痛くなり、伊織に月のものが来たのだ。表情にダダ洩れしてしまう事を警戒し、少しセックスは控えておこうと思っていた矢先、タイミングがいいのか悪いのか月のものが来てしまい津波に報告したのだ。 「伊織に触れたい……」 「うん…」 深く甘くキスをする度に、体が熱く火照ってくる。津波に触れて欲しい、触れたいと思う気持ちが溢れ、お互いに服を脱がせ肌を重ねる。抑えようと思っていても触れ合ってしまえばもう止められない。 津波の愛撫に煽られ欲情した伊織は、その日、初めて津波の猛った牡を口にした。津波の見たことのない表情や吐息が、伊織を煽る。なぜこんなにも愛おしく思うのか、もっと気持ちよくしてあげたいと思うのか、初めての感情に戸惑いながら伊織はたどたどしく愛撫を続けた。 翌朝、伊織は洗面台の鏡で自分の顔を見ながら、表情を確認するように笑顔を作る。 「いけるかな……大丈夫かな…?」 ブツブツ呟きながら歯を磨き、キッチンに行って朝食の準備をする。津波を起こしに行こうとした時、背後から抱き締められ耳元にキスをして津波が囁く。 「おはよ。昨日はありがと。すごい、よかった…」 ボッと一瞬で顔と耳を真っ赤にし、伊織は固まる。 「ふふっ、可愛い。耳まで真っ赤……いただきまーす」 固まる伊織をぎゅっと抱き締め、津波は耳をパクリと丸ごと咥える。舌先が耳をくすぐり、手が伊織の胸に触れる。 「紅…ほら…はやくっ……顔、洗って…っ……きて…」 「ん……今は、伊織タイムだから……」 津波が耳を舐めながら言うと、伊織は顔を動かし少し離れて振り向いて言う。 「何それっ……」 「ん…? 伊織とイチャイチャする時間……伊織タイム……ふふっ」 「そんなの朝じゃなくても…」 「うん。伊織タイムは、朝でも昼でも夜でもあるから。あぁ…早く終わんないかな…」 「昨日始まったところだから、だいたい1週間は無理」 「はぁっ……1週間…なげぇ……」 深いため息をついて津波がキスをし、顔を洗いに洗面所に向かった。 伊織はオフィスに着きデスクに座ると、すぐにパソコンを立ち上げ、企画書を印刷した。朝のミーティングで課長の浜田から伊織に、真紅のFカップブラの完成品が手渡された。ミーティングを終え、伊織は企画書を持ち浜田の元へ行く。 「課長、ちょっといいですか?」 浜田に企画書を差し出し、企画の内容とYURIAの事を話す。 「そうか、分かった。この企画を副社長と話してみよう」 「お願いします」 企画書を託し、伊織は真紅のブラと鞄を持ち、花村の店舗に向かった。 「花村さん! 完成しましたよ」 店舗に着いて伊織は、奥の部屋に駆け込み花村に真紅のFカップブラの完成品を見せる。
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