告白

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告白

あれから英輔と私はそれなりにリラックスできて良い時間を過ごせたと思う。 でも、すっかりもう日は暮れてしまった。 デートはおしまいの時間だ。 「あ、さっき休憩したベンチの所に、買ったおみやげを忘れてきちゃったかも。」 あちゃー。やってしまった。 誰かに持っていかれちゃっていたら最悪だ。 「何やってるんだよ。行くぞ。」 英輔がそう言って、私も休憩したベンチの所に行こうとした時だった。 「お姉さん。これ、さっき忘れて行ったでしょ。」 そう言って、私より少し年上で大学生ぐらいの男の人が声を掛けてきた。 ちょっとカッコいい人かも知れない。 その手には私が忘れてしまった売店で買ったぬいぐるみが入っている袋があった。 なにはともあれ、買ったおみやげが無事でよかった。ありがとうございます。と言って受け取ろうとした時だった。 「ありがとうございます。これ、俺の彼女に渡しますね。」 そう言って英輔がおみやげを受け取っていた。 その男の人は「彼女と仲良くなー。」なんて言って行ってしまった。 やけに英輔は真剣な顔をしている。 「これで俺が忘れ物をした時に、助けたことにならない?」 あ、私は彼に忘れ物をして困った時に助けてくれる人を好きになるって言ってたんだった。急に心臓の音が大きくなる。 今日、英輔とデートしていてドキドキした。 だから…。 「な、なる!なるよ。受け取るよ。」 そういうと、英輔に急に肩に手を回されてキスされた。 こうして、私と英輔はお互いに初心者マークがついているけれど、恋人同士になれたのだった。 そうして、英輔と付き合い始めて半年が過ぎた。 私たちはぎこちない面もあるけれど、どうにか付き合っている。 そうそう。英輔にはまだ「忘れ物をした時に他のヤツに助けられるなよ。」と言わるし、私は「助けられないよ。」と返す。 そんなコミュニケーションが気に入っている。 あんな変なことを言いだしたお母さんには少しだけ感謝しないこともない。
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