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「おーっす!」
大きな声とともに走ってきたのは、3年生の陽介。
その後ろから、6年生の湊人くんも歩いてきた。
「よーし、全員そろったね。じゃ、行くよー」
莉子ちゃんの声かけで、全員一列に並んだ。
先頭は莉子ちゃん。次がわたし。陽介が続いて、最後が湊人くん。
莉子ちゃんが歩き始めるのに合わせて、わたしも前に進む。
目の前で水色のランドセルが歩くリズムに合わせてゆらゆらする。
同じランドセルのはずなのに、莉子ちゃんのランドセルはカッコよく見える。
わたしも莉子ちゃんと同じ水色がよかったな。
おばあちゃんが買ってくれたのは、ピンクのランドセル。『あやによく似合う』って。
そりゃあピンクも好きだけど。
「みんな、ストップー」
莉子ちゃんが左手を横に伸ばして、止まるよう指示をする。少ししたら、前から自転車が通り過ぎて行った。莉子ちゃんは、わたしに笑いかけてくれてから、「行くよー」と再び歩き出した。
こうして莉子ちゃんは先頭でわたしたちを守ってくれる。莉子ちゃんがいてくれるから、わたしは安心して学校まで通えるんだ。
優しくてかっこいい莉子ちゃん。
わたしも6年生になったら、莉子ちゃんみたいになれるかな?
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