<決着>

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<瞳> ガチャリ ドアロックが解除される音がして慌てて玄関に向かう。 「おかえり」 「ただいま」 そう返す凌太の顔に疲れが見えて心配になったからちょっと冗談っぽく「ご飯にする?お風呂にする?」と言うと 「瞳にする」と言って抱き寄せられ肩に顔を埋めた。 頭を撫でてから頬を指でなぞると顔を上げた凌太と目が合いゆっくりと唇を重ね深く交わっていくとお互いの服をその場に脱ぎ捨てながらベッドルームに行くともつれるようにベッドに倒れ込んだ。 凌太の吐息、唇の感触、指先の動き、手のひらの温度、その全てを体が覚えている。 二度目の絶頂の後、凌太はうつ伏せのまま私の頭を優しく撫でながら「愛してる」と呟く声が耳をくすぐり身体が震えた。 重なる肌が暖かく心地よいが、久しぶりの行為に体が怠い。 喉が渇いたと思った時、凌太が私のおでこにキスを落としてからベッドルームを出て行った。 レンジで炊いたご飯はおにぎりにした。 野菜サラダも冷蔵庫で冷えているし、じゃがいもとワカメの味噌汁は温めればいい。 唐揚げは少しタレにつけすぎているかもしれないが、今はもう少しここで余韻に浸りたい、というよりも感じすぎて身体中が熱を持ちすぎてシーツのざらつきが気持ちよくてダラダラしていたい。 でも「喉乾いた」 そう呟いた時ミネラルウォーターのペットボトルを2本持って凌太が戻ってきてキャップを開けた一本を手渡してくれた。 一気に半分ほど飲むと、乾きと熱がひいて気持ちがいい。 喉を鳴らしながらミネラルウォーターを飲む凌太の喉をみていると喉仏が上下しているのがわかる。 「決着はついた?」 手の甲で口を拭った後「スッキリした」と微笑んだ凌太に思わず「え!」と強く反応してしまったら、凌太が私の勘違いに気づいた。 「そっちじゃない、ってそっちもだけど。壊れていた家族にしがみついていたのを手を離してきたって事」 「そっか」 凌太の肩に頭を乗せると、回した腕で肩を抱き寄せられる。 「まさか、亮二が親父の子じゃなかったって」 「えええ!認知しているんでしょ」 「親父は自分の子だと確信を持っていたんだよな。まぁ、俺にはもう関係ない」 そう言ったあと、二人のお腹が鳴った。 二人で笑ったあと、ちょっと味が濃くなった唐揚げを揚げた。 二人で向かい合って唐揚げを食べていると、凌太はお茶を一口飲んだあと箸を置いてまっすぐに私を見た。 「瞳、結婚しよう」
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