1237人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように瞳のお手製弁当を持って出勤する。
電車の中でレストランを検索して予約を入れた。
それから、例のクマの財布を調べると若い女性向けのブランドだと知った。
クマに3万5千円か・・・
考えてみると瞳にプレゼントなんてしていなかった。引き出してしまった60万円を返金したら何かをプレゼントしよう。
みゅーちゃんと付き合う様になって色々なブランドを知ることが出来たから、きっと気に入ってくれるものをプレゼントできるような気がする。
クマの財布はコンビニ受け取りにして注文をした。
最後にするためにレストランを奮発した。
「こんな素敵なレストランとか、まーくんありがとう」
「お誕生日おめでとう」
金色に輝く発泡酒で乾杯をする。
うまい、こんなシャンパン初めて飲むかも。
「おいしーい、お酒ってこんなに美味しいんだね」
「これは特別じゃないかな」
「そうなんだ、じゃあベッドとかでも違うお酒を飲んでみたい」
慌てて周りを見たが席が離れていることとスタッフも周りにいなかったのでホッと胸を撫で下ろした。
そんなオレをみてクスクスと笑いながら「聞かれたって大丈夫だよ」と言いながら美味しそうに料理を食べている。
例の財布を渡すと嬉しそうにしながら写真を撮ろうとしたから、オレはダメだよと言うと「わかってる」と言って夜景を撮っていた。
お誕生日おめでとう。
二十歳になったし、もうオレの援助は必要ないと思うからこれを区切りに関係を終了しよう。
って、何度も何度も心の中で練習した言葉を言えばもう今までの生活に戻る。
そう思っていたのに
「まぁーくぅーん、これ美味しぃ」
フルーツテイストの酎ハイ缶を飲んで全身を赤く染めベッドで乱れているみゅーちゃんの体を愛撫する。
「今日は安全日だよ」
「まーくん大好き、結婚しよーね」
お酒に酔ったみゅーちゃんはいつも以上に感度が良くて安全日だと言う言葉に気が緩んで快楽の方を優先してしまった。
まさかあんなことになるなんて思いもしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!