<美優>

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<美優>

里子からラインが来た。 里子【何あの女のインスタ】 【匂わせを通り越してマウントとしか思えない】 里子【旦那に聞いた?】 【このマンションのだれかがイタズラしたんだろうだって】 里子【インスタを見た事を言った?】 【言っていない。QRコードはシールだったから剥がして私の手帳に貼って保管してるから私にバレていることに気づいてないと思う。】 里子【あの旦那が浮気するなんて思わなかったわ】 【本当、どうしよう】 里子【でも、決定的な証拠にかけるよね】 【あのアホ写真の数々って、完全に浮気とは言い切れないし】 里子【もう少し見ていくしかないね】 【うん】 里子【飲み会しよー】 【飲もう!】 里子【じゃあ明後日の金曜日、おk?】 【おkおk】 スマホを閉じると、モバイルパソコンに先ほどの音声データと美優のインスタ写真を保存すると、念のため分かりにくいところにもバックアップしたあと、ゴミ箱から先ほど正人が捨てた手紙を拾いチャック付き袋に入れるとキッチンの引き出しに敷いてあるシートの下に入れた。 パソコンの電源を落としてソファに横になると、心臓がうるさくて眠れないかもと思っていたがかなり疲れていたようで意識が遠のいて行った。 背後でカサカサとゴミ箱を漁る音で目が覚めたが寝たふりをしていると、リビングのテーブルに置きっぱなしにしていたバッグを漁っている音がする。 もしかして、あの手紙を探しているのかもしれない。 念のため隠しておいて良かった。 スマホに設定しているアラームが鳴るまで寝ようと思って目を瞑っていると正人は諦めてベッドルームに戻って行ったようだ。 本当に分かりやすい。
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