108人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたに、満たされたい…っ」
「よく出来ました」
言い終えると同時に抱え上げられたハーヴィーは、自らロイクの腰を跨いだ。向かい合った恋人の躰を掻き抱く。逞しい腕に支えられながら、ハーヴィーは硬い楔の上へと腰を落とした。
「は、んッ……熱、ぃ」
「そう?」
「ん、良い……」
「君の中も、とても熱くて気持ちが良い」
ロイクの上にぺたりと座り込み、ハーヴィーはそろりと息を吐き出した。
「苦しいかい?」
「苦しくない……」
「なら、そのまましっかりと掴まっていて?」
言い終わると同時にロイクは上体を倒した。少しだけ硬いスプリングがハーヴィーの背を受け止める。途端に深く穿たれた奥底に喉が鳴った。
「ひッ、待っ……」
「駄目だよ。もう待てない……!」
欲情に塗れた声とともに最奥を穿たれる。ロイクの容赦のない突上げに寝台が軋みを上げた。
「はッ、ンッ……ロ、イ…良いッ」
「僕も、……良いよ……!」
腰を打ち付けられる度に寝台の上をずり上がる肩を、大きな手が掴む。その強さにハーヴィーは僅かに眉根を寄せた。
ロイクの背に回された指先が皮膚に食い込み、食い破る。
「ッふ、そんなに必死にしがみついて、君はなんて可愛いんだろうね」
「あっ、んッ、も…出る……ッ」
「良いよ。たくさん吐き出してごらん」
「ゃっ、ロイ……もっ」
うわ言にも聞こえる声がロイクの耳朶を叩く。ひとりは嫌だと頭を振るハーヴィーへと口付けた。
「可愛い僕のハーヴィー。望み通り、君の中に注いであげる……ッ」
悲鳴にも似た、それでいて悦びに濡れた嬌声をあげながら、ハーヴィーはその夜ロイクの腕の中で意識を失うように眠った。
最初のコメントを投稿しよう!