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「あッ、は、イイ……、ミシェル……っ出、る」
「出して、クリス」
それは、静かに訪れた。僅かに息を詰めたクリストファーの雄芯がどくりと脈打つ。繰り返される浅い呼吸に呼応するように、色の付いた熱い体液が指を濡らしていく。
「んっ、く、……ぁ、ああ……」
「気持ち良い?」
「良い……」
やがて弛緩していくクリストファーの躰を解放し、マイケルは寝台を降りた。キッチンからミネラルウォーターのボトルを持って引き返す。
「クリス、水」
寝台の端に腰をおろし、ボトルを差し出しながら告げれば幾分か掠れた声が返ってくる。
「水よりも、俺はお前の精液が飲みたい」
「ッ、可愛くって言ったのに、どうしてお前はいつもそう可愛くないねだり方をするんだ」
「はん? お前が欲しくて堪らない。内臓まで貫いて、お前の精子を奥まで注ぎ込まれたい」
「口を閉じろ節操なし!」
ボトルを放り投げ、マイケルはクリストファーを膝の上に抱え上げた。背中から抱きしめるように回した腕が、クリストファーの下芯を撫でる。
「またここだけ弄られたいのか?」
「っそれは……」
ぴくりと強張るクリストファーの背中を満足げに見遣ったマイケルではあったが、すぐさま主導権は奪われた。
するりと伸びた手がマイケルを捕らえる。指先が熱の棒へと絡みついた。
「聞いてやれないお願いだ」
「っクリス!」
「お前のこれで、俺を犯してくれないか」
飲み込まれるのは、あっという間だった。熱くうねる肉の襞が欲棒を食む。一気に最奥まで貫かされて、今度はマイケルが躰を強張らせる番だった。
「クリスッ、待て」
「待たない」
抱き締める腕の熱さにクリストファーは小さく喉を鳴らした。いつまで経っても愛らしい年下の恋人へと背中を預ける。
「お前の腕の中は気持ちが良い、ミシェル」
吐息とともに囁けば、逞しい腕に力がこもる。
「そうやって、お前はいつも人を誑かす訳だな」
「訂正しろミシェル。俺が誑かすのはお前だけだ」
「当たり前だ。他の奴を誑かしてみろ、二度と抱いてなどやらないからな」
「それは、困ったな……」
「困るな馬鹿。本当にお前は節操がない」
「そう怒るなよミシェル。俺がこうして背中を預けられるのは、お前だけだ」
「そんな事は知ってるっ」
怒りながらもどこか嬉しそうな声を聞きながら、クリストファーはこの夜たっぷりと恋人に満たされた。
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