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クリスマスイブ
「お前さ、クリスマスって家族と過ごさねぇの?」
「八千代たちと過ごす前は、母さんと2人でクリスマスパーティしてたよ」
「俺、ゆいぴん家のクリパ参加したことあるもんね~」
「小学生の時だよねぇ。希乃ちゃんと3人でプレゼント交換したよね! 楽しかったなぁ」
「なぁ、だったら今年は結人ん家でやればよくねぇ? まぁ、えっちはできないけどさ、そんでも楽しそうじゃね?」
「俺も、結人ん家のクリスマスに参加してみてぇな。なんとなくだけど、すげぇ幸せそうだもんな。凜人にデカい鳥焼かせるから、それ持って行くな」
「え、もうやるの決定なの? 母さんに聞いてみないとわかんないよ?」
「クリスマス明日だもんな。あー····急に言い出してごめんな?」
「イブは恋人と過ごして、クリスマスは家族と過ごすのが、外国では普通らしいぞ」
「なら丁度いいね。皆、いずれ家族になるんだし。とりあえず、母さんに聞いてみるね。僕、電話してくる」
「なぁ、何あれ。襲いそうになったんですけど。ヤバかったんですけど。“いずれ家族”って何? 絶対なんも考えないで言ったよな」
「言ったな。アイツ、素であんなん言うんが厄介だわ」
「ホントそれ。けどゆいぴ、なんかワクワクしてんね。めちゃくちゃ可愛い」
「つぅかさ、クリスマスパーティって何すんの? さっきプレゼント交換つってたけど、俺、結人にあげるつもりで買ってんだけど」
「俺も、ゆいぴにしかあげないよ」
「当たり前だわ。結人にしか買わねぇっつぅの」
「俺は、全員分買ったぞ。たいしたもんじゃねぇけどな」
「さっくんは優しいねぇ。どっかの金持ちは、結人しか見えてない視野の狭~い奴だもんなぁ」
「てめぇ、喧嘩売ってんのか。あ? お前には受験用の問題集アホみてぇに買ってやんぞ」
「要らねぇよ! んなもんクリスマスに思い出させんなよな~」
「大畠は勉強に使うもん嫌だったのか。わりぃ、勉強頑張ってるみてぇだから、万年筆買っちまった」
「んぇ? ······朔さん、万年筆って勉強で使わなくない? 俺、シャーペンしか使わねぇよ?」
「············あぁ、確かにな。俺も勉強する時、万年筆なんか使わねぇな」
「ははっ、お前アホすぎんだろ。ちなみに、俺には何くれんだよ。またサボテンか?」
「いや、サボテンは玄関に置くと良くないらしいから、今回は多肉植物にしたぞ」
「何情報だよ。つぅか俺、植物好きなわけじゃねぇんだけど。苺は結人の為にやってるだけなんだわ」
「そうなのか? 俺、また余計なもん買っちまったのか······」
「あはは。場野は何貰っても文句しか言わなそうだから気にしなくていいよ、朔。んで、俺には何くれんの?」
「莉久には──」
「あのね、母さんがクリスマスパーティしていいよって。明日の夕方に帰るって言っといたよ」
「やった~! んじゃ、明日の分まで今から可愛がりますか」
「だな。ぉし結人、こっち来い」
「ねぇ、そろそろ自分で準備できるよ?」
「俺らの楽しみ奪うなつっただろうが。いいから来い」
「今日は俺が結人引取りに行くわ~」
「ねぇ朔、俺のプレゼントって何なの?」
「あぁ、莉久のは結人のフィギュアだ」
「「「「え······」」」」
「これな、頼んだら作ってくれるところがあって、試しに作ってもらったんだ」
「待って待って。それ僕のフィギュア!? 朔、何作ってんの!? え、それりっくんの部屋に飾られるの? なんかヤだぁ····」
「朔、一生大事にするね。ホント神なの? すっごい精度····。あぁ!! 服脱がせないじゃん!!」
「りっくん、僕のフィギュアで何するつもりだったの!?」
「朔、それ今度俺のも頼むな。どうせ、お前のも作ってんだろ」
「あぁ、作った。けど、流石に気持ち悪がられるかと思って、莉久にだけ持って来たんだ」
「あっはは! 確かに、莉久が持ってても違和感ねぇもんな。んじゃ、俺の分もお願いね」
「えー······皆、本当に頭ヤバすぎるよ······」
「今更だろ。よし、今度こそ風呂行くぞ」
「え、ちょっ、待ってよぉ。皆が僕のフィギュア持ってるの、なんかヤダよぉ」
「うるせぇな。ほら来い」
「あーあ····。結人も災難だねぇ。俺らみたいな変態に囲われて」
「ゆいぴが可愛いのが原因だからしょうがないよね。はぁ~、これホント良い。朔、マジで天才」
「喜んでもらえて良かった。結人、俺らのフィギュアは要らねぇかな」
「「要らないと思う······」」
「そうか。残念だな。よし、結人が戻ってくる前にタオルとか敷いとこうか」
「「だね~」」
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