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天の川まで
「今年も天気悪いね····」
「ん? 今日って毎年天気悪ぃの?」
「啓吾、今日何の日か知ってる?」
「えーっと、今日って何日?」
「ジジィかよ。今日7日だよ。七夕でしょ」
「あぁ〜。なんかそんなんあったねぇ。結人好きそうだよな。あっ! 小学校ん時さ、七夕ゼリーとか出なかった?」
「出た出た。微妙に不味いの」
「僕、結構好きだったよ。中にある星が変な食感で癖になってた」
「結人は何でも来いだもんな〜。なんでも美味そうに食うの可愛いから好きぃ♡」
「ゆいぴは好き嫌いが少ない良い子だもんねぇ〜♡ で、ゆいぴは天の川が見たいの?」
「え? あぁ、うん。えっとね、見てみたいなぁって思ってるんだけど、いっつも天気悪いんだよね」
「結人は毎年見上げてんのか。可愛いな」
「う··うん? まぁ、一生に1回くらいは見たいかなって」
「でもねぇ····見事に毎年天気悪いよね」
「なんでなんだろうね。僕、1回も天の川見たことないや」
「梅雨だからじゃねぇか? 来年は車で、天の川見れるとこ行こうか。何処まででも連れて行ってやるぞ」
「あはは。ありがと、朔。ホントにどこまでも連れてかれそうだよ。なんなら、しれっと海外まで行きそうだよね」
「日本全国ダメだったら行くぞ」
「さっくんは行動力あっていいね〜。俺ら、パスポートも無いかんね」
「なら、そこからだな」
「今年は場野ん家で我慢だねぇ」
「莉久は今すぐ帰んのか? そのまま2度と入れねぇからな」
「冗談だって。場野くん、許してー」
「ふっ····莉久は相変わらず大根だな」
「失礼だなぁ。名演技でしょ?」
「堂々と演技とか言ってんじゃねぇぞ。つぅか、くん付けやめろ。鳥肌立つわ」
「ねぇ、雲は威嚇できないの? 場野くんなら蹴散らせそうじゃない?」
「あっはは! 場野くんならできそ〜」
「テメェら····」
「八千代、怒らないでね。啓吾とりっくんが悪いよ! 悪態ばっかりついてたら、そのうち本当に追い出されちゃうよ。ごめんなさいしてね」
「ゆいぴに免じてやめたげるね」
「結人に免じてだな〜」
「ちょ、なんでそんなに煽るの!? や、八千代····怒らないでね?」
「チッ····。んならお前が宥めろ。来い、洗浄すんぞ」
「えぇ!!? ちらし寿司は!?」
「俺に抱かれてる間に莉久と大畠が作んだろ。結人の為だもんなぁ?」
「お前ら、仲良いな」
「「「良くねーよ!」」」
「朔。朔も仲良しだよ?」
「ふっ····そうだな。よし、俺も洗浄手伝う」
「ひぇっ····。八千代と朔なんて怖いよぉ····」
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