毎日よりも愛される日

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毎日よりも愛される日

「ゆいぴ、そのまま真っ直ぐね。足元段差あるよ。気をつけてね」 「わっ····りっくん、手離さないでね」 「大丈夫、死んでも離さないから。····さ、もう目隠し取っていいよ」 「んぇ? えっちな事はシないの?」 「ん゙っ?? シ··たいけど今日はまだシないよ。先にする事があるからね」 「気持ちぃ事シてほしいんなら、俺が目隠し取ってやろっか?」 「八千代が? ····うん、取って」 「えぇ〜場野だけズルい! 俺も取りたかった〜。結人あんあん言わせたい〜」 「ハンッ、早いもん勝ちだわ。後でもっかいすりゃいいだろ。つぅか目的ズレてんじゃねぇぞ」 「ね、ねぇ····目隠し取ってくれないの?」  「お、わりぃな」 「ん··やっ····なんで耳触るの?」 「あ? (ほど)いてるだけだわ」 「結人、見えないから鋭敏になってんじゃねぇか?」 「だろうな。ほっぺた触るだけでビクビクすんの、可愛すぎンわ」 「遊んでないでさっさと取れよな。ゆいぴが怖がっちゃうだろ」 「うるせぇな。······よし。ほら結人、見てみろ」 「ん····わぁ··!! 凄い····誕生日って感じだぁ。いつの間に飾りつけしたの?」 「結人が朔と買い物行ってる間に超ダッシュで。こういうのしたかったんだろ? ど? 誕生日感出た?」 「うん! すっごい出た。んへへっ、誕生日だぁ」 「おいこら。あんま可愛いと、このまま抱くぞ」 「え、まだヤだよ。先にケーキ食べるもん」 「ふはっ、流石だな。食欲優先かよ。吐いても知らねぇぞ」 「えー····今日は吐かないように加減してほしいな。あっ、そうだ! えっと······ねぇ皆、優しく甘く抱いて、僕のこといーっぱい蕩けさせて♡」 「おまっ、それまた大畠か。やめろ、なんでそんなに可愛いんだ。なんだ、蕩けさせてって····何言ってるか分かってんのか」 「ううん、今回は猪瀬くん。て言うか朔、おバカになってるよ。あのね、夏休み前に猪瀬くんと“激しい彼氏持つと大変だねぇ”って話しててね、一緒に対策考えたの」 「アイツも余計な事教えんのかよ。ったく、あのバカップル····。どうにかなんねぇのか」 「俺らがくっつけといて言う? まぁ、今度軽く言っとくわ」 「でもさっきの可愛かったじゃん。あれはあれで良きじゃない? 俺、心臓爆ぜたかと思った····。なに、あの上目遣い。裾持ってモジモジしちゃって恥ずかしそうにあんなっ、照れて····んぅ゙っ、思い出したらヤバい。あの可愛さなんなのっ」 「りっくん····きもーい」 「ぶっははははっ!! 結人に『きもーい』とか言わせんの莉久くらいじゃねぇ?」 「もう啓吾、僕のマネやめてよぉ」 「おい、そろそろケーキ食わねぇと溶けんぞ」 「いや、もう溶けてるな。仕方ねぇ、冷やしなおそう」 「あ〜··だな。しょうがねぇから先に抱くか」 「そだねぇ。なんだっけ····“優しく甘く抱いて、いーっぱい蕩けさせて”ほしいんだよな」 「おっけ、任せて。俺、ゆいぴのこと蕩けさせんの世界で1番得意だから」 「アホぬかせ。ンなら俺のが得意だわ」 「悪いが、それなら俺も1番は譲れねぇな」 「ちょーぃ待てよ。俺だって負けねぇかんね」 「え····ケーキは?」 「「「「あとで」」」」 「えぇー····」 *** 「んぁっ、待っ····啓吾ぉ」 「ん? また耳溶けちゃう?」 「溶けひゃう····」 「溶けちゃえ♡」 「ひにゃぁぁ····意地悪しないれぇ」 「今日はめっちゃ結人の日だもんな。もっとイジメちゃお」 「ふぇ··? めっちゃ····? 誕生日らから?」 「それもあるけど、今日は8月2日(ハニーの日)だろ♡」 「ひぁぁっ····/// 啓吾のばかぁ。耳噛まにゃいれぇ」 「あーっ!! それ俺が言おうと思ってたのにぃ!」 「ははっ、早いもん勝ちだろ〜」 「俺らの(ハニー)ならもっと愛されてぇよな。結人、口でシてくれるか?」 「はぇ····するぅ。朔、まだケーキ食ぇてにゃいからね、(しゅ)きにシていいよ」 「よし、喉開けろ」 「さっく〜ん、後で食べる体力残しといてやれよ?」 「····わかってる」 「ぜーったい分かってないじゃん」 *** 「結人、大丈夫か? わりぃ、ヤリすぎた」 「ら、大丈夫(らいじょーぶ)らよ。めちゃくちゃシたの、朔らけじゃないれしょ」 「まぁ、そうだけど····」 「朔に偉そうなコト言ってた啓吾が1番キツイことするんだもんね。ホンットにバカなんだから」 「お前もぶっとんで前立腺潰しまくってただろうが。どの口が言ってんだよ」 「奥抉って吐かせまくった場野に言われたくありませんー」 「んはは。全然(じぇんじぇん)優しくなかったねぇ····。れも僕、しゅっごく気持ちかったの。らから、仲良くして··ね──」 「あ、おい。······あーあ、寝ちまったぞ」 「まぁ、まだ時間あるし、今のうちにプレゼントとか用意しとこっか。起きたらケーキも食わしてやんねぇとなぁ」 「だね。とりあえず、ゆいぴ綺麗にしてあげなきゃね♡」 ***  「結人、そろそろ起きれるか?」 「んっ····んぅ? ハッ!! ごめんね、寝ちゃってた····」 「謝んなくていいの。ゆいぴの寝顔見てるの幸せだったんだから」 「そ、そう··なの?」 「それは間違いねぇ。気持ち良さそうに寝てる結人を見てんのは、心が温かくなるからな」 「····んへへ。なんか恥ずかしいな。····あ。ねぇ朔、それって····」 「あぁ、お前にプレゼントだ。誕生日おめでとう、結人」 「へへっ、ありがと。開けていい?」 「いいぞ」 「えへへっ、なんだろ··················ん? んん?? コレって····」 「俺たちのフィギュアだ」 「う··わぁー······。あ、りがと? え、フィギュア?」 「やっぱり要らなかったか?」 「「「要らねぇだろ····」」」 「そうか····」 「そっ、そんな事ないよ! 嬉しい····けど、リアルすぎてちょっと怖いかも」 「あぁ、結人のフィギュア作ってもらったトコで、よりリアルに作ってもらったんだ」 「へ、へぇ····」 「わりぃ。やっぱキモイよな。莉久じゃねぇんだし」 「え、俺キモい代表みたいに言われてる?」 「何キモくないみたいに言ってんの? 莉久は俺らのキモい担当だろ」 「啓吾、そこ座れよ。目ェ瞑って歯ァ食いしばってろ」 「あっはは! やーだよ〜」 「おい、逃げんなコラ!」 「もう、2人とも喧嘩しないでぇ」 「結人、わりぃ。莉久に相談したら、案外喜ぶんじゃねぇかって言われたんだ。インパクトがあるほうがいいって、大畠にも言われて····」 「あっはは! 朔、そんなにしょぼんてしないでインパクトはバッチリだよ。それに、皆がいつも一緒に居るみたいで······うん、寂しくないよね」 「お前、無理してねぇか?」 「大丈夫、してない。皆がくれるものなら何でも嬉しいもん」 「うおっ····どうしたんだ? お前から抱きついてくんの、珍しいな」 「んへへぇ〜。朔、頭撫でて」 「ん。結人、愛してる」 「僕もだよ」  「なぁ結人、生まれてきてくれてありがとうな。俺らが一生守るから、毎年こうやってバカやって笑ってろよ」 「へぁっ、なに急に····八千代のばかぁ····恥ずかしいでしょぉ///」 「ははっ、急じゃねぇのよ。さっきヤッてる時にも俺ら色々言ったんだけどさぁ、結人全然聞こえてなかったっぽいから改めて、な♡」 「うぁ····ごめんね、聞いてなかった······」 「あはは。大丈夫だよ。俺らがゆいぴに言いたくて、勝手に言いたい事言ってただけだから」 「まぁ、ヤッてる時に聞いてねぇのなんかいつもの事だしな。今更だわ」 「「だね〜」」 「結人、ケーキ食うか? 優しくシてやれなかった詫びに食わせてやるぞ」 「食べるぅ! 朔にあーんしてもらう〜」 「ははっ、甘い空気もたねぇのな〜」 「あ····ごめんね。僕の食欲、ちょっと抑えないとだよね」 「いーんだよ。結人はいっぱい食べてずーっと俺らにデロッデロにされてたらいいの」 「そうだよ。ゆいぴはそのままでいてね。なんにも我慢しないでいいんだから」 「ま、我慢なんかさせねぇけどな。毎日毎日、お前に振り回されてんのも悪くねぇんだよ」 「そうだな。ヒヤヒヤさせられんのはアレだけど、結人の我儘に振り回されんのは楽しいな」 「皆····変なのっ///」 「変でもいいから、いい加減ケーキ食おうな。また溶けたら抱くぞ? ほら、あーん」 「んぁー····んん〜っ♡ 甘ぁい」 ((((クソ可愛いなぁ····))))
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