春風

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「ベッドは使えるよ」 「ええ、でも……」 「往生際が悪いね」 「は、はあ」  結婚式を挙げて、住まいが整うまで我慢すると、この人は宣言した。未樹を大事にしたいからと。それなのに、なぜいきなり迫ってくるのか。  よく分からない。よく…… 「けっ、結婚式は来週ですが!?」  ささやかな抵抗を試みるが、佳史は軽く笑って受け流す。それどころか、さらに私を引き寄せ腰を密着させた。 「あ、だっ、そんっ……な」 「さあ、行きましょうか」  見たこともないスケベ顔。なぜこのように余裕なのか、なぜ、なぜ? 「未樹」 「は、はいっ?」  そんなの、簡単。強引な男が答えをくれた。 「愛してるよ」  続きは素敵な未知の世界。  大好きな彼に抱かれ、私は柔らかな女になる――
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