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「その次の年も」
「その次の次の年も」
ふたりは笑いあいました。そんなふたりを見て魔女も笑ったようでした。
帰り道、立派な白樺の木の上にふたりは宿り木を見つけました。
「ネリー、今朝言ったよね。宿り木が宿主に取って代わることはないって」
「ええ。不思議な木よね。冬でも枯れないし、宿主を枯らすこともない」
「でも確実に育っていくんだよね。どうせなら幸せな宿り木を育てたいな」
「わたしもそう思うわ。ティム、あなたはきっと世界一美味しいケーキを作るわ」
「よし、その言葉をボクの宿り木にするよ」
ふたりは互いに宿り木の下で来年もまたこの幸せな一日が訪れることを願いました。
<おしまい>
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