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ティムは恐る恐る店内を見回し、できるだけ小さな物を選んで早く帰ろうと思いました。
大きな物を選んでしまうと、次の配達の邪魔になります。それにティムはクリスマスが嫌いでした。毎年毎年、ケーキの配達に追われて、友達と遊ぶことも、パーティに行くこともできないからです。
棚に並ぶおもちゃたちは、今年のプレゼントには選ばれなかったのでしょうか。どこかひっそりと息を殺しているようにも、ティムが選んでくれるのを待っているようにも見えます。
ティムが店内を見回している間に、青年が赤いマグカップに湯気のたつココアを入れて持ってきました。
甘い香りが漂います。
ティムは慌ててケーキの箱をひとつテーブルに置きました。その時、テーブルの端にあった小さな木のお皿を落としてしまいました。
そこからこぼれ落ちたのは、手のひらにおさまる小さな銀の飾りでした。不思議な植物の形をしています。
「お、いいものを選びましたね! それは幸福の宿り木ですよ。きっといいことがありますよ」
青年の言葉に押されるように、ティムは手の中のそれを見下ろしました。
ティムはひと目でそれが気に入りました。そして同時にある女の子の顔を思い浮かべていました。
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