手袋

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そ、そうか。誰かがいらなくなった手袋を木の枝か何かにさしてそのまま放置したのか。それが雪どけと共に少しずつ出てきたってことか。 不意に空が陰った。いつの間にか黒雲が立ち込めていた。 よ、よし。そろそろ天候も荒れそうだ。こんな手袋に構ってはいられない。さっさと帰り支度しよう。 そう思い、勢いよく立ち上がる。 ぎゅうぅ。 ぐい。 ばたん。
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