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―――
「もう寝るんですか?」
「明日早いと言っただろ。」
お風呂から上がると、城田さんが客室に入るところだった。僕の問いかけに対していつもの口調で答えるとさっさと部屋に入ろうとしたから慌てて呼び止めた。
「城田さん!」
「何だ。」
面倒くさそうに振り向く彼。その強い瞳に見つめられて、思わず怯んだ。
「あの……おやすみなさい。」
「あぁ。」
微かに頷くと踵を返して部屋に入っていった。
「はぁ〜……」
力が抜けた僕はソファーに沈み込む。そして頭を抱えた。
何を言おうとした?何を聞こうとした?
自分の中でまだ答えが出ていないまま、何かを口に出しそうになってしまった。
一度大きく深呼吸すると彼が消えていったドアを睨んだのだった……
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