99人が本棚に入れています
本棚に追加
―――
「ねぇ……?」
「ん?どうした、何処か痛むか。」
カバンをごそごそ漁っている城田さんに声をかけると、慌てた様子で僕を覗き込んできた。
怠い体を無理矢理起こすと城田さんを真っ直ぐ見つめた。
「僕の事、好き?」
「……は?」
予想外の事を聞かれたからだろう。今まで見た事のない間抜けな顔になっている彼に向かって精一杯の笑顔で微笑んだ。
「僕の事愛してる?」
「……じゃなきゃ、こんな関係になっていない。」
『こんな関係ってどんな関係?』
そんな言葉が出てきそうになったがグッと堪えて、更に微笑みを深くした。
「本当?」
「あぁ。」
「じゃあ……」
最後の力を振り絞ると、僕は彼に近づいてこう囁いた。
「僕を……捨てて?お願い……」
「……え?」
大きく見開かれた彼の瞳には、怪しく笑う僕が映っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!