第五話 真愛

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―――  彼は暇さえあれば僕の所に来てくれた。何か悩んでるのなら言えと言ってくれた。  ちゃんと見ててくれたのに。見てなかったのは僕の方だった。 「ごめんなさい、章さん……」 「友成……」  ギュッと抱きついて頬にキスをする。彼は最初は驚いていたようだったけど、それに答えるようにもう一度キスをしてくれた。体が密着する。 「今日からまた、始めないか。」 「え?」 「好きだ。付き合って欲しい。」 「……はい。」  少し震えた声の告白。彼の心臓の音が聞こえてきて、僕はそっと微笑んだ。 「友成……」 「……はい。」  彼が次に何を言うか何となくわかって、僕の体は少し強張った。 「……いいか?」 「はい。貴方になら僕の全部、あげたい。」 「……ありがとう。」  ゆっくりと体が離れていく。そしてそのまま押し倒された。  二人分の体重で軋んだベッドの音が、何処か遠くに聞こえた。 .
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