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ピピピピーー♪
朝のアラームが鳴った。今日の僕はいつもよりも早起きだ。カーテンを開け、心地よい日光を浴びる。このあと何かあるわけでもない。でも今日は、なんだか特別な一日になりそうだ!
朝食を済ませ、とりあえず外に出てみた。特に用事があるわけではないけど、散歩してみるのも悪くないなと思ったからだ。少し歩いてから近くの公園に寄ってみると、ベンチに座っている人影を見つけた。見覚えのある服装……あれは間違いなく先輩だ。
「おはようございます」
僕が挨拶すると彼女は振り向き、「あぁ君か……」と呟いた。昨日とは打って変わって元気がない様子だ。どうしたんだろう?
「あの……いつもより元気がないですけど大丈夫ですか?」
心配になった僕は思わずそう聞いてしまった。先輩は一瞬驚いた表情を見せたがすぐに元の暗い顔に戻った。そして俯きながら言った。
「あぁ……うん。まあ大丈夫と言えば大丈夫だったかな」
「えっ?それじゃあ一体どうして落ち込んでるんですか?」
僕の問いに対して先輩は何も答えなかった。ただ黙り込んだまま地面を見つめているだけだった。その姿を見て、なんとも言えない不安感に襲われた。このままだと取り返しのつかないことになるんじゃないかという予感さえしてきたのだ。気がつくと、僕の手は勝手に動いていた。先輩の手を強く握り締めていたのだ。先輩の手はとても冷たく、微かに震えていた。先輩はそんな僕を見て少し驚いていたが、やがてフッと微笑みながら口を開いた。
「……ありがとう。君のお陰でなんとか立ち直れそうな気がするよ」
その言葉を聞いて僕はホッとした。よかった……。
それからしばらくの間二人で手を繋いで話をしていたのだが、先輩が突然立ち上がった。もうそろそろ帰らなくちゃいけない時間だからと言って帰っていった。その時の先輩の顔には笑顔があったような気がした。
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