誰かの決意

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「なら! 僕も」残る、とノアが言いかけたが、「ダメだ」と即座に一蹴された。 「お前は俺と同行しろ。お前が連絡役をやらんで誰がやる?」  そうアレックスに言われ、ディランも気付いた。 「なるほど、もう魔法が使えるのですから連絡自体は問題ないですね」 「僕は便利な郵便じゃないぞ!」 「あぁ、郵便なんてものよりはるかに便利だ」 「だからぁ、僕はっ」 「お前がいないと困るって言ってんの」  にこりと笑うアレックスに、ノアはひきつった顔で「は?」と返す。 「僕、女の子の方が好きなんだけど」 「奇遇だな、俺もだ」 「なんのカミングアウトしてるんですか」  まるで漫才のような言い合いに、ディランが呆れるようにそう言ったが、アレックスは笑うだけ、そしてノアは諦めるように大きくため息をついた。
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