誰かの決意

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「……えと、それで……、何からやればいいですか?」  混乱しながらもそう答えるフィーネの頭を、ディランはそっと撫でる。 「まずはお茶でも飲んで落ち着きましょう」  そう言ってくれるディランを、フィーネはじっと見上げた。 「ディー、私、本当に何でもやります。お掃除でも荷物運びでも。みんなと一緒に頑張ります」 「えぇ、頑張りましょう」 「それで少しでもこの国が前に進めたら、それはアレックス様たちのためになりますか?」  その質問に、一瞬ディランは固まってしまった。少し前まで、少女だった彼女。一気に成長して16歳の姿になったとしても、それでも16歳、まだ子供だ。いや、元からその姿に似合わない考え方をしていたが、それでも彼女は成長した。  だから、ディランはやわらかい笑みを見せた。 「それはもう……、そうですね、アレックス様やノアにしてみればここに居場所がある、それだけで違います。勿論、彼らが負けることはありませんから、きっとジェラルディンにフィーネの居場所も作ることでしょう。四季のあるとても美しい国なのできっとフィーネも気にいるはずですよ」
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