8.変わる世界

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「やれやれ、お前が敵じゃなくてよかったよ。さて、お父上はお元気かな?」 「さあ? 麻薬漬けにした体はなかなか戻らないと思うけどね」 「……」  皇后たちは、国王を自分たちの意のままに動かすために麻薬を使い彼の意志を奪ったのだ。元側近に自白の魔法をかけたノアが聞きだしたのだから、嘘ではないだろう。 「お前がもう少し早く俺に協力すれば、ここまで大事にはならんかっただろうな」 「そんなに大事? ただの王位争奪戦、ってか、世代交代っしょ?」 「……そうかもな」  一般的な親子じゃない、だから一般的な親子の情愛があるわけでもない。それでも、少しくらいは心にひっかかるものがあるのだ。
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