400人が本棚に入れています
本棚に追加
「思い切ったね。いいの?」
そう聞くノアにアレックスは苦笑する。
「どうせ一族郎党を助けるわけにはいかん。早かれ遅かれ、だ」
傷口が大きすぎて、簡単に塞ぐことはできない。いや、塞ぐより前に膿を出しきらねば、ここまで大きな外科手術をした意味がない。こうすることで、一時期国は混乱をきたすだろう。それでも、マシな世界を作るために必要な犠牲といっていいだろう。
「僕は賛成だけどね」
そう言ったところで罪悪感が薄まることはない、それでもこれがノアなりの優しさだ。
「ところで、魔法使いの妨害がほとんどなかったな」
「僕が所属する全員に魔塔から出るなと命令した。それに違反した奴らは拘束して、それからは知らない」
最初のコメントを投稿しよう!