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「は? どういう意味だ?」
意味が分からずそう聞くアレックスに、ノアはその顔に似合わない何かを含んだ笑みを見せる。
「僕に味方する魔法使いも少ないないってこと。だからって信用はできないから、僕の命令に従った奴らとはとは主従の盟約を交わして絶対裏切られないようにしたけどね」
「……お前、それって今では禁止魔法じゃ?」
この魔法は、昔、奴隷を作るために作られた精神魔法で、今では禁止されているのだ。けれどノアはケロッと「そうだっけ?」と返してくる。
「ま、魔塔は治外法権だから気にしないで。で、そいつらと歯向かってくる奴らをとっ捕まえてさ。ほら、主従契約結ぶとそいつらの限界まで力引き出せるし、僕の力も与えやすいしで、結構簡単に捕縛出来てさ。それから、魔塔の秘宝庫にある転移門を強制的に動かしたの。ほら、秘宝庫の解錠魔法はさすがに魔塔主にしか許されていないからね。で、それを使って行き先指定せずに空間移動させた。まぁ、僕に対する謀反は失敗したけど、再起の可能性は残してあげたってところかな? だって、運が良ければ生きてるし? いやぁ、僕って優しいと思わない?」
「……お前が敵じゃなくてよかったよ」
心の底からそう言うアレックスに、「そう?」とノアは無邪気に笑って見せた。
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