400人が本棚に入れています
本棚に追加
そこからは怒涛の毎日だった。国王の訃報、それに携わった者たちの断罪、貴族や国民たちへの説明。
「首を落とすなんて、野蛮じゃない? それとも高貴な方はこういうのが好きなわけ?」
ノアの言葉に反論もなく、アレックスは苦笑いする。
そして、短い裁判を経て、今日、皇后と第2皇子の公開処刑が行われる。
「同感だな。それでも、見せしめって奴が必要なんだよ。国王を弑するということがどれほどの罪か」
「ただの夫殺しなのに?」
やれやれと両肩をすくめるノアに、アレックスは首を振る。
「それでも大罪に変わりはない」
「僕もたくさん殺したけどね」
戦争とは不思議なもので、その中で敵を殺すことは名誉とされ、それを道端でやれは犯罪となる。またそれも勝てば栄誉だが、負ければ敵味方から断罪される。戦争という免罪符は、どこまでも理不尽なものなのだ。
「俺はそれ以上だ、気にするな」
だからアレックスはそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!