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最後まで変わらぬ態度に、アレックスはフッと笑い立ち上がった。
「最後の言葉は選ぶべきですよ、母上」
そう言って彼が軽く手を上げれば、彼女のそばにいた執行官が彼女の首を断頭台に無理やりのせた。
「母上! 母上っ! 嫌だっ! 死にたくないっ! 兄上、どうかご慈悲を! 修道院でもどこにでも行きますからっ!!」
そして下される手を合図に、大きな刃が彼女の首に落ちてきた。
「──っ、 うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
第二王子の叫び声は、観衆の声にかきけされた。
そして、二度目の歓声が上がったとき、アレックスの姿はもう広場にはなかった。
こうして、ジェラルディン国の騒動は沈静化し、落ち着きを取り戻すことになる。
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