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「お邪魔しまーす。」
24日、クリスマスイブ。
南が、わたしのアパートにやって来た。
『入って入って…。』
「うん。」
南がここを訪れるのは、もう片手じゃ足らないくらいの回数。
只、はじめて二人でアパートで過ごすクリスマスとなると、さすがの南も、少し緊張しているらしい。
部屋は、ロフト付きのワンルーム。
勉強机と椅子、小さなローテーブル、テレビ、二人掛けのソファー。
あとは、わたしの生命線である本棚。
『お茶淹れるね。紅茶でいい?』
「うん、ありがとう。」
何度も訪れている筈なのに、キョロキョロしている南さん。
わたしの問いかけに応えると、ようやくソファーに座った。
『駅まで迎えに行ったのに…。』
「いいのいいの♫いろいろ見ながら、ここまでゆっくり歩きたかったから…。」
『そうなんだ?』
「うん。」
今日の南は、髪をおろしているのもあり、いつもより落ち着いた印象で。
服装も、ニットとロングスカートということもあり、「綺麗なお姉さん」といった感じだった。
“この前も会ったばかりなんだけどな…?
ヤバい、わたしも緊張してきたし。
だって今日の南、めっちゃ綺麗なんだもん。”
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