クリスマスイブ

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「ありがとう。開けていい…?」 『うん。』 わたしの様子に、緊張の面持ちで紙袋を受け取った南。 紙袋を開け、中を覗き込むと、途端に顔を歪め、飛び付くように抱きついて来た。 「……。」 「あり…がとう。(泣)凄く嬉しい。嬉しい…嬉しい。(泣)」 『本当に?よかったー。でもまだ、中身見てないよね?開けてみて。』 「うん…。」 南は頷くと身体を離し、同じように正座をして、紙袋から四角いスウェードのケースを取り出した。 そして…… 「ペアリング…。」 『うん…。5回目の、クリスマスだから。』 「もう!しーちゃんのバカ!大好き〜!」 南さん、本日2回目の飛び付き攻撃。 わたしは、そんな南をどうにか抱き留め、右手で髪を優しく撫でた。 「いきなりイケメン発動とか…心臓に悪いから。もう、格好良過ぎだし…。(泣)」 『何それ!?イケメン発動って…。』 「ありがとう、嬉しい…。本当にありがとう。(泣)」 『うん。』 わたしがプレゼントしたのは、シルバーのペアリング。 塾講師のバイトを頑張って、はじめて買った、南への指輪だった。
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