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両手にエコバッグを提げたわたしと、ケーキの箱を片手に持っている南。
二人並んで、アパートまでの道を歩く。
「重くない?」
『大丈夫。』
「本当に?」
『本当に。』
「ありがとう。」
『うん。』
ただ並んで歩いているだけなのに、南は上機嫌だ。
「腕…組んでもいい?」
『腕…?あぁ…うん、いいよ。』
「じゃあ、遠慮なく…。」
そう言うと南は、ケーキの箱を左手に持ち替え、右手をわたしの左腕に絡ませた。
『そういえば……ネイル、可愛いね。』
「あー、やっと言ってくれた〜!昨日、歩美にやってもらったの。綺麗だよね〜♫」
絡ませた右腕を前に出し、わたしに指先を見せるように、南は手のひらを前にして微笑む。
『大人っぽいなぁ…って、ちょっとドキッとしたから///。』
目線を指先から逸らし、わたしは正直に伝えた。
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