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「よかった、ネイルしてもらって♪しーちゃんには、いつだって意識して欲しいもん。」
また腕を絡めると、見上げるように南がわたしの顔を見つめてくる。
『えっ、そうなの?』
「そうだよ…。たまにしか会えないんだもん、一番キラキラしてる自分を、インプットしておいてもらいたいでしょ?」
『……。』
「し、しーちゃん…?」
『もう、おなかいっぱいだから、そのくらいで…ね。』
「おなか…いっぱい?」
首を傾げる南。
『はじめてのお泊りで南も緊張してたかもだけど…。自分も、ずーっと南にドキドキしてたから。』
「えっ?」
『髪型違うし、いつもより大人っぽい服装だし、おまけにネイルしてるし…。意識しっ放しだから、本当に。』
「しーちゃん…。」
『あー恥ずかしい。喋り過ぎた…///。』
目線を道路に向け、右手のエコバッグを肘の方にずらし、手で顔をパタパタと扇ぐ。
“本当調子狂っちゃうな…。
クリスマスだから?
単に南が綺麗になったから?
軽口が叩けないよ、今日は全然…。”
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