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「ぅわぁっ!?」
突然の浮遊感に目が覚める。どうやらベッドから落ちそうになっていたらしい。枕元の時計を見る。まだ六時を過ぎたところだった。
あたりを見回しても当然兵隊さんどころかくるみの殻のひとかけらも落ちていない。やっぱり夢か。そう思いつつも体に残るくるみの手応えがあまりに鮮明で、忘れられそうになかった。
窓を開けるとまだ薄暗い空からキンと冷えた風が吹きこんだ。思ったよりもずっと寒い。すぐさま閉め、そのまま机に向かって今日のぶんの課題にとりかかる。これだけすませてしまえばあとは自由だ。
さあ今日はなにをしようか。本棚にしまいっぱなしの本を読むのもいい。散歩でもしながら前から気になっていたお店を回るのもいい。想像しただけで、いつもより少しだけ今日という日が楽しみに思えた。私はペンケースのファスナーを勢いよく開けた。
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