青い夜にくるみは割れて

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 それから私も一緒になって特番を見て、おふろに入ってから自分の部屋に戻った。真っ直ぐにベッドに倒れこむ。体はまだ元気なのに、なにもやる気が起きない。やっぱり、イベントごとの雰囲気は得意じゃない。  昔はちゃんと楽しめていたはずなのに。いつからこんなに気疲れするようになってしまったのだろう。少なくとも幼稚園、いや、小学校の低学年くらいまではクリスマスも誕生日も素直に楽しめていたと思う。ケーキにはしゃいでプレゼントに期待をして。  こうなった理由は、わかってる。――英人だ。  英人はよく熱を出す子どもだった。だから父も母も英人にかかりっきりになることばかりで、私は結果的に放っておかれることが多かった。だからせめて、ふたりの負担にならないようにした。それが幼い私が選んだ、愛されるための戦略だった。  今も昔も英人を羨ましく、妬ましく思う気持ちはある。けれど体質の問題をお前のせいだと押しつけるのも違うと思うし、なにより病弱だった英人が元気に中学に通い、ましてや部活で剣道をしていることが、私は純粋に嬉しかった。  自分のふとんに向かってため息をつく。疲れているときほど余計なことを考えてしまう。別にサンタさんを信じられなくてもクリスマスを楽しめるのだから、いつから枕元のプレゼントがなくなったのかを考える必要はない。そう頭の中で終止符を打ってそのままベッドに潜りこんだ。
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