きよい、この夜

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バイトが終わって、もうすぐ日付けも変わる。だけど、このまま帰るのもつまらないと思い、ファストフード店に行った。ハンバーガーとセットのオレンジジュース、そのあとには、クリスマスとは似ても似つかない海藻サラダをコンビニでわざわざ買って、冷たい風を受けながら帰宅した。 それが、今の私には合っていると感じた。寒くて冷たい風にさらされたかった。 ふとスマホのメールを見直す。 『ごめん、オレの勝手な都合で別れて』 彼から追加のメールが届いていた。 『このまま一緒にいると、お前を傷つけてしまいそうだったから』 言っている意味がわからない。 「そんなの、自分勝手なだけじゃない」 私の気持ちなんて、何も聞いてくれなかった。言い訳なんて、今さらもう、聞きたくなかった。 だけど、指が勝手に下へとスクロールしてしまう。まだ、彼への感情が残っているのだろうか。 『お前のことを失くしたくない。どうか、それだけは信じてほしい』 だったら、別れてなんてほしくなかった。サンタへの願いは、私の思いは、たった一つだけだったのに…… これは、最後の聖なる夜に与えてくれた、奇跡なのだろうか。 彼の最後の一文まで、私はたどり着けないうちに、思い出の場所へと走り出していた。 たとえこの身が、どうなってもかまわない。サンタさん、どうか私を彼の元へと連れてって…… 白く冷たいものが頬に触れた気がした。一瞬の存在を残して、ふわっと消えた。私はきっと、それを望んでいたのかもしれない。
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