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さきちゃんのお父さんが罪を犯して、だから一家が人目を避けて知らない町に引っ越してきて・・・・・・ お金に困ってなんか恥ずかしいビオデに出た・・・・・・?
だって、さきちゃんは公園のヒーローで、弱いものを助ける正義の味方で、だって、そうだ、あいつらは嘘を言ってるんだ、さきちゃんに勝てないから出まかせを言って困らせようとしてるんだ!!
「そんなの嘘だ!卑怯だぞ!男の癖にデマで貶めようなんて! 」
僕が声を上げると三人がぎろりと睨んで来た。
「あ? 黙ってろクズ! 」
「さきちゃん!言ってやってよ!そんなの嘘だって!なんで黙ってるのさ! 」
顔色を失ったさきちゃんは微かに唇を震わせて、それで……。
「おうおうさきちゃんよ、大人達に可愛い姿見せてたんだろ?だめじゃん、こんなかっこしてちゃ」
ダウンジャケットの子がさきちゃんのハチマキを掴むと力任せに引っ張った。それはびっくりする位あっけなくほどけて凛々しかった一文字は地面にのの字を描いてふにゃりと横たわった。
僕達のヒーローが、ただの女の子にされてしまった様で僕の中の何かが悲鳴を上げた。動揺のあまり歯が音を立てた。
「どうせならさ、俺達にも見せてよ。パンツ」
「よせよ狂暴女のパンツなんか」
「二度とでかい顔できない様にしてやるんだよ! 」
「さきちゃん!! 」
否定して欲しくて僕は自分でも驚くような声で叫んでいた。
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