誠side止まらない情熱※

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誠side止まらない情熱※

 部屋に響く水音と、岳の甘い喘ぎ声が私をいきり勃たせる。甘える様にいやらしく誘われて、瞬時に沸騰しそうになった。愛撫をする余裕もなくズブズブと岳の中へ自分の分身を埋め込めば、ブワリと濃い甘い番の匂いにクラクラしてくる。 安堵と興奮という、反対方向へ引っ張られるその矛盾が番への愛そのものなんだろうか。絡みつく岳にせき立てられて、私はゆっくりと岳を堪能する事も出来ない。 「あっ!ああんっ、誠っ!もっと、もっと頂戴っ!」  いつからこんなに可愛く強請る様になったのか、快感に呻く岳が反らした胸の上の尖りがまるでしゃぶってくれというかの様に赤く突き出ていた。 一層深く串刺しにしながら、私は夢中になって岳の胸を舌先で突ついた。岳の鼻に抜ける様な甘い呻き声に気をよくして、私が口の中で硬くなった先端を転がすと、その可愛らしさに胸が疼いた。 無意識なのか岳が自分で腰を揺らめかせて、私の動きが足りないと催促する頃には、私は口元を緩ませて岳の甘い口の中を味わいながら、馬鹿みたいに腰を振っていた。  岳が私に口づけを返す余裕がなくなる頃、私は岳をひっくり返して後ろからグリグリと岳の奥へと自分を押し込んでいた。グチっとハマった瞬間、岳がビクンビクンと大きく震えて声にならない嬌声をあげて逝った。 その締め付けに息を呑みながら、私はゆっくりと奥をコツコツと優しく叩いた。その度に甘く鳴く岳が可愛くて、このまま永遠に愛してやりたかった。けれど、岳の絞り込む様なうねりが激しくなって、さすがに私も限界が来ていた。  もう一度正面で抱き合うと、ベッドに岳を貼り付けて一気に自分の本能のままに追い立てた。ああ…!この恍惚は岳とだけ…。自分でも引き込まれる様な吐き出しに、何度も腰を押し出して、岳の両手に抱きしめられて、私は甘い首に顔を押し付けながら呻いた。 完全な脱力というものがあるならば、私は岳に重なったままそうしてしまったのかも知れない。優しく耳を指でくすぐられて、ハッと目を開くと、岳が息の掛かるすぐ側で私を見つめていた。そしてクスクスと笑う。  お互いに顔を寄せて優しく唇を合わせると、岳が囁いた。 「誠、手加減なしなの?いきなり凄いから、俺ぶっ飛んじゃったよ。」 私は岳の隣に身体を横たえると、ズルリと身体を引き剥がして、岳を腕の中に抱え込んだ。今交わったばかりなのに、ひと時も離れたくない。岳のしなやかな細身の筋肉は柔らかくて弾力がある。体毛はあまり感じられないのは元々なのか、Ωに変異したせいなのだろうか。  「岳はほとんど体毛が無いね。つるりとしてる。前から?」 そう言いながら身体の表面を撫でると、くすぐったがって身体をよじらせた。それから私の方に向き直ると、私の臍の下に手を伸ばした。前から感じていたけれど、岳は私の体毛が気に入っているみたいだ。 「どうかな。あまり気にしたことがないから。まぁ、濃くはなかったよ。誠みたいに、こんなに色っぽいなら濃くても良かったな。ふふ。」 そう言いながら、私の体毛に指を絡ませて少し引っ張った。 「痛っ…!」 私は岳の悪戯な指を手で押さえて、その指先を兆し始めた自身に絡ませると、岳はトロリとした眼差しで私を見つめて笑った。 「誠のおねだりには抗えないな。俺だって会うの楽しみにしてたから…。愛してる、誠。」 岳の甘い囁きに、何だか幸せで泣きたくなる。私はこんな感傷的な人間ではないはずなのに、岳は私を簡単に変えてしまう。
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