クリスマスの愛

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体が落下し、はねられて地面に叩きつけられるまでのあいだ、澪は白い部屋にいた。 いた、と言っても身体が存在しているわけではなく、思考だけが在る。実態のない幽霊のようだ。 理久には言ってなかったけど、ハナズオウの花言葉は他にもある。 澪は彼に対して “不審” 感を抱いていた。 彼に出会えて、彼と死ねて “喜び” を感じた。 死んでからの “目覚め” を待っている。 この人生は “豊かな生涯” だった。 そうして澪は死んだ。
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