5人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺はカトウショウ。26歳で建築業やってる」
「キタムラカイです。25歳の弁護士です」
「ナガオカコウジだ。27歳のサラリーマン」
「僕、ミムラリクです。26歳で一応医者」
男性軍が次々に名前を名乗る。
「タカクラミナミですっ!25歳独身笑」
「アサヒナサラだよー。26歳のアラサー女子」
「・・・・・・あ・・・。ナナセミオ、です。25歳です」
ミムラリク・・・・・・三村理久。女――澪の元彼だ。
「女性方は職場みんな同じなのー?」
「はいー。地味な事務職ですね」
全体での話がやがていくつかのグループになっての話になると、澪のもとに陸が来た。
「ナナセミオちゃん・・・って言うの?」
「はい。・・・・・・ミムラリクさん、ですよね」
「わぁ、覚えてくれてたんだ。嬉しい」
優しく微笑む彼に、今までのそっけない面影はなかった。
――女の顔なんてメイクが変われば変わるのよ――
今はもうやめてしまった職場の先輩の言葉が、澪の頭に蘇る。
澪は今日、ブルーベースのメイクをしている。理久といたときはピンクっぽいナチュラルメイクだった。
たっらそれだけの変化なのに。
「はじめまして。よろしくね」
はじめまして、なのか。
最初のコメントを投稿しよう!