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2次会も終わった頃にはもう7時になっていた。
程よく酔っていた澪は、うめき声を上げて、隣に立っていた理久にもたれかかった。理久は驚いて声をかける。
「澪さん・・・・・・?大丈夫ですか?」
「ん〜・・・、ふらふらしましゅ〜・・・」
飲みすぎた演技をしながらちらっと彼の目を見る。
そして、涙目で美女から見上げられるのは理久にとって弱点だった。
「僕の家来て少し休む?」
「・・・いいのぉ・・・?」
「いいよ」
こうして理久がタクシーを呼び、2人は理久の家に向かった。
乗り込んで数分後、ぽつりと理久が言った。
「・・・・・・僕の知り合いにも、ナナセミオって人がいるんだ。あなたはどこか、彼女に似ている」
澪はそれを聞きながら、だって同じ人だものと心の中で呟いた。
「その人のことぉ・・・好き、なんですかぁ・・・・・・?」
「・・・君は知らなくていいことだよ」
理久は窓の外を見た。
クリスマスツリーや、イルミネーションが通り去っていく。数日前別れた元恋人のことを思って小さなため息を付いた。
「理久さん・・・・・・前にぃ、どっかで会ったことなかったですか?」
澪からの問に、ゆっくり首を振る理久。
「ないと思うよ」
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