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目を覚ますと、澪はベッドから抜け出した。
まだ、体が熱い。
「・・・み、おさん・・・」
手が伸びてきて、澪をベッドに連れ戻そうとする。
「理久さん、朝ですよ」
「ん・・・もうすこし寝る」
そう言って理久はうつ伏せになり、また夢の中へと落ちていった。
澪は洗面所に向かった。
昨日の行為でほとんど落ちてしまったメイクを完全に落とし、またし直す。昨日と同じ、ブルーベースのメイクだ。
支度が終わると、澪は理久にあてて書き置きを残し、彼の家から出た。
自分の家に向かう途中も頭の中は彼のことでいっぱいだった。
澪は、まだ理久のことを愛している。元彼を愛していて、だからこそ彼が合コンで出会った相手なんかと一夜を過ごしたのが許せなかった。
私を振ったのに、合コンに参加して、新しい子を見つけようとしたなんて。
私は、傷ついたけれど、新しい恋愛に踏み出そうとしたのに。
沸騰するような気持ちを胸に秘めて、駅に向かう。
―――必ず、ころしてやる。
澪は復讐の手段を考えながら電車を降りた。
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目が覚めた理久は机の上のメモを見て頬を緩ませる。
『帰ります。クリスマス頃会えますか?連絡待ってます。大好きです。 澪より』
理久はスマホを取り出し、メッセージアプリを開いた。
nanase mio と表示された文字に触れ、文字を打ち込む。
“手紙読んだよ。ありがとう。クリスマスイブの夜、予定ある?ショッピングモールとかいこうよ”
送ったあと、理久は休日出勤の用意を初めた。
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