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「ねぇ」
女は男に話しかけた。
「なに」
「せっかくの休日なのにどこも行かないの?」
「行かない」
スマホをいじりながらそっけなく答える彼に頬をふくらませる女。
2人共下着姿で、事後であることがうかがえる。
「クリスマスには、おそろいのネックレスとかほしいな〜」
さりげなく言ってみるも無視され、さながら子犬のように彼にまとわりつく。
「俺帰る」
「え?」
女を振り払い、立ち上がって服を着る。
彼は別れの言葉を告げた。
「てかもう俺ら別れよ。お前うざいし」
「え・・・?」
ぺたんと座り込み、目を見開く女。
「じゃあな」
「ちょ、ちょっと!」
かけた言葉は虚しくドアに跳ね返された。
のろのろと立ち上がり、服を着る。
彼とは約2年間の付き合いだった。
普段はそっけないけれど夜の営みのときは優しく抱いてくれ、実際昨日もそうだった。だから嬉しかったし、彼のことを愛してもいた。
彼女はコーヒーを入れ、椅子に座る。
「クリぼっちは、やだぁ・・・・・・」
女は、彼氏を作ることを決意した。
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