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その日は、そのまま和やかな雰囲気のまま解散となり、雷は帰宅していく。二人きりになったところを見図らって、恵琉は雷との仲をそれとなく探ることにした。
「幸はさっきの同僚とどうなりたいとかある?」
「どうって、どういう意味?もしかして、今はやりのBL(ボーイズラブ)とかいうやつ?恵琉さんもそういうのに興味があるの?」
「いや別にそういうのは……。待てよ。そういうことを言うのなら、私のこの計画もそういう意味では」
「図星?だとしたら、恵琉さんは僕のこと、バカにしてるよね?」
恵琉の言葉が幸の何かに響いたようだ。なぜか説教をされてしまう。
「僕は恵琉さんと結婚していて、今は恵琉さんの夫だよ。それなのに、同僚との仲はどうとかふつう聞かないよね?もし、僕が彼とそういう関係だと言ったら、どうするつもりなの?簡単に離婚してくれるの?」
「私は」
「離婚するといったとして、僕は絶対に認めないよ。彼とはただの職場の同僚だから。やたら俺に構ってくるけど、僕と彼の間に恵琉さんの期待するような感情はない」
(離婚してくれないと、困るんだよねえ。私と離婚しないとか、そんな未来、ありえないんだけど)
「変なこと言ってごめんなさい。ただ少し、気になっただけなの」
その場は謝罪することで幸の機嫌を取ることにした。
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