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プロローグ
今日もひこうき雲が一閃、空を駆けた。
青い空に、白い煙。
僕たちが毎日のように見ている光景だ。それなのに、綺麗と思ったことはない。
もう飽きたと思うこともせずに、心を期待することもせずに。
彼らはどこから飛び立ち、何処へ向かうのだろう。
きっと大陸の方だろうということを、遠い噂の話が教えてくれる。
そのうちいくつかは本国に向けて飛んでいく。だけども、僕たちは、その故郷のことを考えるのは難しかった。
"それ"を見たのは去年の夏のことだ。
ある日の空はいつもに増して澄んでいるように感じられて。
そこに浮かぶ星から落ちる、一筋の<光>を見たのだ。
これは、きらめく出逢いの話......。
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